伝統的工芸品は、昔から伝わる技術を用い、天然の材料を使って主に手で作られるものです。
そうして造られたものは、私達の生活の中で様々な形で使われ、役立ち、長い間親しまれてきました。
工芸品といわれるものは、全国で900以上ありますが、そのほとんどが小規模の会社や工場で作られているため、
昭和49年に国が「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」を制定し、指定された工芸品を保護し、育てることにしました。
【伝統的工芸品】には、法律上では次の要件が必要と規定されています。
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01
主として日常生活で
使われるもの -
02
製造過程の
主要部分が手作り -
03
伝統的技術または
技法によって製造 -
04
伝統的に
使用されてきた原材料 -
05
一定の地域で
産地を形成
令和5年10月26日現在、経済産業大臣が指定する【伝統的工芸品】は全国に241品目あり、
瀬戸では「赤津焼」と「瀬戸染付焼」が伝統的工芸品に指定されています。
Akatsu ware 赤津焼
赤津焼のふるさとは、瀬戸市の東端にある赤津地区です。
大正14年に当時の瀬戸町と合併するまで、赤津村として千年を越えるやきものの歴史にはぐくまれて、今日まで脈々と受け継がれている古窯の一つです。
FEATURE
赤津焼の特徴は、なんといっても多彩な釉薬。赤津七釉と呼ばれる「灰釉」(かいゆう)「鉄釉」(てつゆう)「古瀬戸釉」(こせとゆう)「黄瀬戸釉」(きせとゆう)「志野釉」(しのゆう)「織部釉」(おりべゆう)「御深井釉」(おふけゆう)の7種類の釉薬が使われます。そしてこの七釉を更に活かすべく、「櫛目」「ヘラ彫り」「印花」など12種類に及ぶ豊富な装飾技法が駆使され、現在では、茶道具、華道具はもちろん、小鉢、向付などの懐石食器、湯のみ、コーヒー揃など幅広く作られています。
Seto dyed ware 瀬戸染付焼
加藤民吉が磁器の製造法を九州で修行の後、瀬戸に帰り、その技術を伝えたことによって、瀬戸地方特有のやわらかな味わいを持った磁器が完成しました。 瀬戸における磁器生産の中心は、日本画のごとく華麗な筆致で描いた染付焼でした。
FEATURE
透けるような白い素地、唐呉須や良質の地呉須による際立った呉須の発色、南画系などの絵師の指導により発展した絵画的な絵付け。山水、花鳥、草花が、より写実的に、より繊細に描かれたその趣は他の産地のものとは異なり、独特の世界をかもしだし、「瀬戸染付焼」と呼ばれます。